疲労感が強いほど歩行速度は遅くなるが、その関連は高齢者ほど強くなり、特に75歳以上で顕著に強くなる!(畿央大学)

 畿央大学 松本 大輔 氏が在外研究員として2023年4月から1年間、フランスにあるトゥールーズ大学病院、老年科、加齢研究所(Institute on Aging, Gérontôpole, Toulouse University Hospital)で実施した研究成果。2024年6月27日畿央大学のホームページで公表。研究成果は2024年6月26日「The Journal of Frailty & Aging」に掲載。

 フランス、トゥールーズ近郊在住でINSPIRE-Tコホート研究に参加した916人(20~100歳)が対象。疲労感(過去1週間)と身体機能(握力、通常の歩行速度、5回反復および30秒椅子立ち上がりテスト、等速度性膝伸展筋力、最大酸素消費量)低下について調査・分析。

結果

 疲労感は、通常歩行速度、握力、立ち上がりテストの低下と関連したが、膝伸展筋力や最大酸素摂取量とは関連しなかった。

 年齢と性別の交互作用効果について、疲労感が強いほど歩行速度が遅くなるという関連が、高齢でより強く認められ、特に75歳以上で顕著になることがわかった。(上図参照)。

 それ以外は、年齢・性別による関連の違いは認められなかった。

 報告は、「多世代でかつ多様な身体機能評価を用いて、疲労と身体機能低下の関連と年齢・性別の交互作用を検討した数少ない研究。疲労感が強いほど歩行速度が遅くなるという関連が、高齢でより強くなることが明らかになった。これは、疲労や歩行速度が加齢に敏感である可能性があることを示唆している」とまとめている。


「主観的疲労感が強いほど歩行速度が遅くなるという関連が、高齢でより強く認められる~理学療法学科」(畿央大学)
 https://www.kio.ac.jp/topics_press/84050/