新型コロナウイルスのパンデミックにより結核による死亡者数は10年以上ぶりに増加!-世界の結核による死者は感染症としては新型コロナウイルスに次いで2番目 -(WHO)

 2021年10月14日公開のWHO(世界保健機関:World Health Organization)の「Global tuberculosis report 2021」(世界の結核レポート2021)によると、2020年の結核の死者が世界で約150万人となり、10年以上ぶりに増加に転じたと報告。

 2020年は、2019年と比較して、診断、治療、または結核予防治療を受けている人ははるかに少なく、重要な結核サービスへの全体的な支出は減少。理由は、① 医療財源が新型コロナウイルス対策に振り向けられた。②ロックダウン(都市封鎖)で治療へのアクセスに支障が出たと分析。

 世界の結核による死亡者数の増加は、2021年と2022年にはるかに多くなるリスクがあると報告している。


「Tuberculosis deaths rise for the first time in more than a decade due to the COVID-19 pandemic」(WHO)
 https://www.who.int/news/item/14-10-2021-tuberculosis-deaths-rise-for-the-first-time-in-more-than-a-decade-due-to-the-covid-19-pandemic


〔管理者コメント〕

 欧米の先進国は結核罹患率が人口10万対10以下の「低まん延国」になっているのに対して、日本の2020年の結核罹患率は過去最低ではあるが10.1の「中まん延国」。
 現在のところ我が国は新型コロナウイルス感染症の影響による結核の死者増は報告されていないと思う。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響による受診抑制等もあり注意が必要。

「咳が2週間続いたらすぐ受診してください。結核は日本の重大な感染症です」(公益財団法人結核予防会)
 https://www.jatahq.org/