人生の最終段階の療養生活の状況や受けた医療に関する全国調査結果を公表(国立がん研究センター)

 国立研究開発法人 国立がん研究センター(理事長:中釜斉)がん対策情報センター(センター長:若尾文彦)は、厚生労働省の委託事業として、患者が亡くなる前の療養生活や利用した医療の実態についての調査票を全国50,021名(うち、がん患者の遺族25,974名)に送付して調査。有効回答数21,309名(うち、がん患者の遺族12,900名)の結果をまとめて公表。
 調査結果のポイントは上表のとおり。
 報告者は、「調査を通じて、がん患者については、医療者は患者のつらい症状についてすみやかに対応していたという回答や、医療者は不安や心配を和らげるように努めていたという回答、亡くなった場所で受けた医療に対して満足しているという回答の割合が他の疾患よりも高いことが推定された。一方で、がん患者では他の疾患よりも、痛みや気持ちのつらさを抱えている割合が高いことが推定された。人生の最終段階の医療を改善していくために、すべての医療従事者への緩和ケアの普及、現在の技術では改善が困難な苦痛を軽減するための治療技術の開発、患者や家族への緩和ケアに関する理解の促進などを、より一層進めることが必要。また、家族の介護負担や死別後も含めた精神的な負担があることが推定され、遺族ケアなど家族に対する支援体制の整備が必要であることが示された」とまとめている。


国立研究開発法人 国立がん研究センター プレスリリース 「人生の最終段階の療養生活の状況や受けた医療に関する全国調査結果を公表」
 https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2020/1031/index.html


〔管理者コメント〕

 国民の2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなる時代。緩和ケアや家族へのケアはより充実していただければと願います。